CDISCまでの長い道のり [1]

カテゴリー: CDISCラボ

CDISCと"とある法律"についての個人的メモ。

1. アメリカの法律の作り方
アメリカの法案の完成フローは下図のとおり。大雑把に言えば、上院(Senate)と下院(House)で完成品を作成する。それを調整して、大統領の署名を得れば完成となる。

まず、法律の作成者(これはFDAのような行政機関であることもあるし、圧力団体や議員などの場合もある)が、法案を作成する。作成された案は、議員を通じて分野ごとの専門委員会へ送られる。製薬関係の場合、HELP CommitteeかE&C Committeeが担当となる。委員会で練られた法案は議会へと提出される。

法案は「上院」と「下院」のそれぞれで独立に検討される。そのため、議会を通過した法案は完全に一致しない。そこで、両院を通過した法案の調整が行われる。調整が完了した法案は大統領へ送られる。大統領には拒否権があるので、署名しない場合もある。無事に署名が得られれば法案は晴れて「法律」として成立する。

20121122.jpg

H.E.L.P. Committee=Health, Education, Labor and Pensions Committee
E&C Committee=Energy & Commerce Committee


2. CDISCに関係する法案
2012年7月9日にThe Food and Drug Administration Safety and Innovation Act (FDASIA)という法案が大統領によりサインされた。FDASIAはいくつかの問題を取り扱っている。『新薬・デバイス・ジェネリック申請時の料金徴収』や『薬剤不足への対応』、『規制活動への患者参加』などである。

この中でCDISCと重要な関連を持つのが、『料金徴収』である。

料金徴収システムを記載した規則は複数存在する。中でも有名なのが、処方箋を必要とする薬剤の申請業務に関連する規則である。これはPDUFA(Prescription Drug User Fee Act)と呼ばれている。1992年からPDUFAが存在している。PDUFAは時限立法であり、ある一定の期間が過ぎると失効する。有効期限は5年間である。すなわち、1992年に制定されたPDUFAは1997年に無効になっている。そこで1997年にPDUFAが再作成された。これは二世代目のPDUFAであり、PDUFA IIと呼ばれる。その後、5年毎にPDUFAはアップデートされている。2012年は5世代目のPDUFA Vが作成される年である。

上記のFDASIAの中に、PDUFA Vの承認が含まれている。すなわち、PDUFA Vが成立したことになる。


PDUFAにより、FDAは貴重な収入源を得ている(※1)。この資金を使い、FDAは申請承認業務の準備をしている。申請者側から料金を徴収する以上、企業側もPDUFA適用のメリットを求めている。FDAは「Speedyな申請承認業務」を目標の一つに掲げている(※2)。申請承認業務のスピードアップをするためには、具体的な手法が欠かせない。そのひとつが、申請資料の電子化であり(※3)、申請データの標準化である。

申請データの標準化という観点から、CDISC標準はきわめて重要な意味を持つ。PDUFAに関連して、いくつもの計画書が存在する(※4)。その中のひとつ「Information Technology Plan」という文書に、データ標準化の記述がある。ここではCDISC標準について触れられている。アメリカの規制当局の狙いや意図を知る上で、貴重な情報源と言える。現在のところ、PDUFA Vに関連した計画書はない。今後の更新に注目するべきであると考えられる。


※1:FDAの予算の50%近くと占めるとも言われています
※2:申請品目の90%を10ヶ月以内にレビューすることが目標です
http://www.fda.gov/RegulatoryInformation/Legislation/FederalFoodDrugandCosmeticActFDCAct/SignificantAmendmentstotheFDCAct/FDASIA/ucm311238.htm
※3:デバイスの分野では、紙ベースの申請が多いようです
※4:詳細は以下のリンクへ
http://www.fda.gov/ForIndustry/UserFees/PrescriptionDrugUserFee/ucm119248.htm
前ページ | | 次ページ











管理者にだけ表示を許可する
http://doubledealer989.blog74.fc2.com/tb.php/1027-420828c3