EMA発行のドラフトガイダンス「Publication and Access to Clinical-Trial Data」

カテゴリー: CDISCラボ

臨床試験データの公開に関するガイダンスのドラフトが公開されました。2013年9月までパブリックコメントを受け付けています。ヨーロッパを対象にした規則ですが、CDISC標準が登場しています。今回は、このガイダンスの概要をまとめます。

概要
第三者が臨床試験データに自由にアクセスできるようにするルール。承認販売申請すると、審査終了後に誰でも申請データにアクセスできる。


考慮点
 1.臨床データが個人情報を含まないこと
 2.被験者がデータ公開まで同意しているか
 3.企業の経済活動を阻害しないこと
   機密事項の保護
   知的財産権の保護
 4.臨床試験データを第三者が精査できること
   第三者による不適切なデータ再解析というリスク
   二次利用結果の公開

注:
企業が臨床試験を実施するため、企業側に有利な結果に陥りやすい。臨床試験データを公開することで、安全性・有効性の検証が行える。企業から見ると、データ公開によって重要なデータが漏洩する可能性がある。EMAは企業活動を重視しながらも、第三者への情報公開がより重要であると結論付けている。


主な内容
臨床試験データは3つのカテゴリーに分類される

カテゴリー1:アクセス不可(Commercially confidential information)
カテゴリー2:自由にアクセスできる
カテゴリー3:制限つきアクセス

個人情報保護の観点から問題があると判断されるデータはカテゴリー3に、機密情報と考えられるデータはカテゴリー1に、それ以外のデータはカテゴリー2に分類される。カテゴリー3に属するデータは、(1) 匿名化を実施し (2) データ閲覧者が指定された条件を満たすと公開される。

注:概要や集計後のデータはカテゴリー2に分類される。個々のCRFデータはカテゴリー3に分類される。

注:具体的な分類を知るにはAnnex I/IIを参照するとよい。Access列に「CCI」とあればカテゴリー1であることを示す。「C (Controlled access)」がカテゴリー3.「O (Open access)」がカテゴリー2を示す。


CDISCの関わり
被験者データがCSRに含まれる。CSRも公開対象となっている。上記のルールに則って、カテゴリー3に分類される。データはPDF形式で提供されてもよいし、スポンサーが当局に提出したデータ形式のまま提供されてもよい。合意されたデータ標準としてCDISCがある。将来的に、EMAがCDISC形式をデータ標準形に指定する可能性がある。そうなれば、CDISC形式でデータが公開されることになる。


まとめ
臨床試験データを公開することで、知的財産の価値を最大化できる…とのことだが、市民団体の圧力・効かない薬を効くことにした売った事件の反発という要素が見え隠れする。CDISCはこのガイダンスの中心にはない。しかし、EMAがCDISCをデータ標準と考えていることが伺える。また、将来的に"提出フォーマット"として指定する可能性がこっそり記述されている点が興味深い。

本論である、臨床試験データの公開という観点からは大手製薬企業から反対の声が上がっている。機密データの漏洩を嫌う企業は、データ公開があるがために欧州での活動を意図的に控える/遅延させるかもしれない。
前ページ | | 次ページ











管理者にだけ表示を許可する
http://doubledealer989.blog74.fc2.com/tb.php/1228-e771adde