臨床試験データは誰のものか? [2]

カテゴリー: CDISCラボ

2014年1月1日からヨーロッパで施工されるはずだった『臨床試験データの公開』。その後を追ってみよう。

まず、AbbVie社の訴訟の経緯

裁判所は「下のレベルでもっと検討しなさい」という判断を下し、案件を差し戻してしまった。これで訴訟が長引くことが決定。係争中にデータを公開しない方針とのことである。興味深いのは、訴訟を起こしているAbbVie社は『臨床試験データの公開に反対する気はない』とコメントしていることである。

つまりは、自分たちがコントロールできる範囲(もしくは合意した範囲)でのデータ公開には前向きである。同様のスタンスで、ファイザーやグラクソスミスクライン社も臨床試験データを公開している。もっともアクセスを拒否した事例もあり、それはそれで記事になっている。


一方のEMAのガイドラインもチェックしておこう。臨床試験データの公開ガイドラインがパブリックレビューに出され、1000を超えるコメントが受領された。あまりの数の多さから、「予定を延期せざるを得ない」という見方が出されていた。

予定通りに12月中旬に会議が実施された。協議結果のアナウンスをEMAのサイトで確認できる。

このアナウンスによれば、前述の記事の予想通り延期が決定された。しかし、データ公開案の廃止ではない。EMAは臨床試験データ公開の方針を変えていない。公開するために、どういった手法(知的財産権の保護や患者の匿名化の方法など)が必要か、検討していく。次回の会議は2014年の3月。新たな動きが出るだろう。


※当ブログは遺伝子情報の取り扱いに興味を持っている。ヒトゲノム解析にかかる費用は下がる一方で、23andMeといった会社が個人レベルでのDNAシーケンスサービスを提供している。DNA配列をデータベースに登録している被験者であれば、容易に個人を特定できる。PGX関連のデータが非公開になるのではないかと思うのだが……

※蛇足ではあるが、23andMeはFDAからサービス停止命令を受けている。DNAシーケンスが『デバイス』に相当し、FDAの認可を受けていないためだそうだ。会社側はFDAの審査を受けて、サービス再開をする予定。

この記事もよい参考になるだろう。
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