CDISC Webinarのサークル的メモ

カテゴリー: CDISCラボ

重要な注意事項
サークル内で作成したメモ書きです。内容の正確性は保証しません。自己判断・自己責任でご利用下さい。

開催時期
2014年2月

主な内容
1. PGX Standard
2. SHARE
3. お知らせ
4. Q&A

PGX Standard
いくつかのドメイン追加・変数追加を行っている。2014 2QにPublic Review、3Qに完成予定。その後、Oncology領域を睨んでCytogenetic標準へ拡張する予定である。

ドメイン
PGX標準でのドメインの配置を示したのが下図。PGXデータは『サンプル収集』、『ゲノム解析』。『結果の解釈』の3段階に分かれる。それぞれの段階で、用いられるドメインが決まっている。この大きなレベルでの構造を理解することが重要である。このドメインの中でもRELSPECは興味深い。このドメインはサンプルの収集~分注~検査の流れを一括して格納する。他の領域へも拡張可能な汎用的機能である。
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この図では明記されていないが、実際には検査Deviceの情報も実装しなければならない。このためPGX標準を理解するには広範な知識(SDTM・SDTM IG・Device・分子生物学)が必要とされる。

ドメイン間の連携
一連のデータがドメインに分割されるため、データ間のリレーションを保つ必要が生じる。過去のPGXバージョンでもこのリレーションが説明された。ドメインの増設に伴い、関係が変化している点に注意しよう。最も基本になるのはBE(検体イベント)ドメインである。収集・分注・凍結保存などのイベントが記録される。このときにサンプルを示すIDが発生する。このIDごとに検体の状態が発生する。サンプルの量・添加物などの情報がBSドメインに格納される。以降、PGドメインでセットアップ条件・PFドメインに解釈・SBドメインに最終的な被験者の状態が記録される。PBドメインは、この関係から独立して、SBドメインへリンクする。
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この関係を「ある検査」に着目して表現したのが下図である。
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下の図はRELSPEC(検体のフロー)の構造を示したものである。検体は段階的に分注されていく。「自らの検体番号」と「親の検体番号」と「分割レベル」の3つの変数を用いて、複雑なフローを表現している。
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変数
PGXではいくつかの変数が追加された。
--SPICEIS
--STRAIN
この2つの変数はHuman Clinical Trialでは用いられない。SDTMに存在しているものの、SEND専用の扱いを受けてきた。しかし、ウィルスや菌を対象にPGXを実施する場合、これらが有用となる。

検査関連の変数
--REFSEQ: Referenceを示す。比較対象のDNA/RNA Sequenceを用いる場合がある
--GENTYP: 検査の対象。DNA・RNA・Proteinなど。広義のPGXでは全てが対象になりえる
--GENRI: 検査の対象となる遺伝子名。CYP・EGFRなど
--GENLI: 検査対象の遺伝子位置。特定のヌクレオチドが対象のときに指定
--GENTGT: プローブが標的とする位置。--GENLIより更に詳細な位置を示す
--ALLELE: 2倍体の場合、染色体が2つある。そのどちらを指すのかを示す

検査結果関連の変数
--GENSR:--GENRIで指定された遺伝子内の位置。Exon17など
--GENLOC: ヌクレオチドの位置を数字で示す。325-1552など。--GENLIより範囲がより広い
--RESCV: Referenceの位置情報。比較したヌクレオチドの位置情報など
--MUTYP: 変異タイプ。遺伝的なものか、その個体内で発生した変異かを示す


SHARE
SHAREはCDISC標準のメタデータリポジトリ。全てのコンテンツを纏め上げることで、品質・スピード・自動化を進めていくのが目的。SHAREはi-SHAREとe-SHAREの2つのタイプがある。i-SHAREは開発者・管理者用。e-SHAREはMachine Readableな形式でコンテンツを提供する。後者がエンドユーザー向け。
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R1
この段階ではi-SHAREがリリースされる。SAHREはSOA(というソフトウェア)上で開発された。開発環境にAmazon EC2(クラウドベースの開発環境)を利用している。R1に含まれるリソースは次の通り。
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SHAREでは、ISO-11179を基本にしてメタデータを構成した。以下にISO-11179のモデル図を示す。このモデルのコンセプトとCDISC標準の関係は次の通りである。
 ・MDES(Metadata Element Set:左上) → ドメイン
 ・MDE(Metadata Element:左中央) → 変数
 ・VD(Value Domain:右中央) → Terminology
 ・Concept(最上段左) → 標準名(SDTM・CDASHなど)
 ・Task・Rule → 管理方法・開発方法などのコンテンツ管理者向け情報

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i-SHAREにはCDISC標準のメタデータだけでなく、管理上の手順も含まれている。また、いくつかのコンテナも存在し、そこにも情報が埋め込まれている。これらの情報はCDISC標準にはないが、SHAREで付加されたコンテンツである。これらもユーザーにとって有用かもしれない。

R2
R1の改良版。2014年Q2にリリース予定。このバージョンでは、ツールの強化・SDTMの最新バージョンへの対応・Research Conceptをコンテンツに含める・ADaMを追加予定。ここでe-SHAREがリリースされる。リリース時にはサイトを用意する。RDF/OWL・CSV・Define.XML等のMachine Readableな形式で配布予定。

SHAREの行く先
以下の図はSHAREが取り扱うメタデータを図式化したものである。すでに述べたとおり、R1では、Research Concept(中央のレイヤーケーキ)は含まれない。TA標準のメタデータは未確定な部分が多く、これをSHAREで取り扱うことは非常に難しい。

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SHAREは段階的に開発されていく。まず、2014Q1にi-SHAREが公開される。しかし、i-SHAREはSHAREそのものを開発・管理するためのものである。したがって、このリリースで公開されるリソースは限定的な利用に留まるだろう。R2でエンドユーザーが利用可能な形式になりはじめる。最終的には2016年の完成予定である。


お知らせ
2014/07/31~2014/08/01にTokyoでCDISC Interchangeを開催する予定


Q&A
Q) PGXで次の状態をどのようにSDTMで表現すればよいでしょうか? 遺伝子の欠損・Polymorphismなど
A) 具体的な事例を増やし、Members' Areaに公開する予定。それを参照して欲しい。個別の質問があれば発表者まで連絡してください。

Q) BE・BSドメインは他の目的でも利用できるの?
A) 利用できる。TAでも使っていることがある。このドメインはCDISC標準の1つ。したがって、他の場面でも利用できる。BE・BSドメインは汎用的なもの。PGX標準では、Pharmacogenomics領域で、これらのドメインを使うときのガイドである。

Q) PGX標準用に新しい変数が追加された。これらの変数をTA標準で利用できるのか?例えば、分注を前提とした変数を再利用できそうである
A) 使っても良い。PGX用に変数を追加したが、できるだけ汎用的な変数になるよう工夫している。なので、再利用できるはず

Q) PGXデータを作成するときに、必須となるドメインはありますか
A) 各試験で必要なデータを収集する。CDISC標準は、必須ドメインを規定しない。FDAがPGX検査のガイドラインを出しているので、それを参照するとよいだろう

Q) ドラフトバージョンを早速利用したいが、良いアイデアだろうか
A) PGX標準は歴史があり、過去にドラフトを公開している。古いものは利用しないほうがいい。現在のバージョンのSDTMに従うならCustom Domainを利用する実装もあるだろう。

Q) 1つのドメインに含められる変数の上限はありますか
A) ルールはない。そもそも、SDTMの規約で定められている。また、SUPPを使えば上限はなくなる。
注:質問がクソ

Q) SHAREのようなツールが今までどうしてなかったのか?
A) 以前から検討されていた。ようやくSHAREができた

Q) BRIDGモデルの情報はSHAREに含まれるのか
A) R1から含まれる。R2ではResearch Conceptも取り込む予定

Q) SDTM IG 3.1.2のメタデータを取り込むそうですが、それ以降のバージョンへの対応は?
A) 今後の課題である(笑)。現在計画中である。

Q) SHAREはDefine.XMLを置き換えるのか?
A) SHAREはより多くの情報を有する。その可能性がある。しかし、検討が必要だろう

Q) e-SHAREは無料なのか?
A) そこはあえて触れなかった(笑)。i-SHAREにはライセンス料がかかる。e-SHAREではその問題を解決したい。i-SHAREは開発コミュニティをサポートする目的で作られている。個別の企業で使えるものではないと思う。

Q) 結局、SHAREをダウンロードすると何が手に入るのでしょう
A) 様々なものが入手できる。メタデータ・IGの記述・新しいAttributeも追加される。詳細を順次発表していくのでリリースをチェックして欲しい。コンテンツが豊富なので、一言でまとめられない。

Q) デモを見られるの?
A) すでに動作するツールがある。Software Providerとの交渉次第ではできるかもしれない。
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