臨床試験データは誰のものか [9]

臨床試験データ公開のトピック
http://www.pharmatimes.com/Article/14-04-10/EMA_still_not_there_yet_on_data-sharing.aspx

EMAが推進している『臨床試験データ公開』の今後の予定に触れた記事。

これによると、EMAは臨床試験データ公開ガイドライン完成に向けて、5月に関係者と最終協議を行う。この協議で種々の問題を解決し、6月の完成に至る予定。争点は、CCI(Commercially Confidential Information)を公開しなくていい…という例外規定・データ公開の審査にスポンサーが参加できるか…などである。

データ公開を巡り、Abbvie社とEMAで裁判が行われた。最終的に一部データを非公開にすることで両者は和解した。非公開とされたデータは僅かな量であり、EMAサイドには十分満足のいく結果だったようである。Abbvie社も『致命的な箇所』を非公開にできたことで、遺失利益を抑えられたとコメントしている。大局的に見ると、『限定的・例外的なデータ保護で、企業側が妥結した』事例である。
この実績を踏まえると、臨床試験データ公開ガイドラインには、何らかの例外規定が盛り込まれる可能性がある。もっとも、その範囲は限定されるだろう。

4月2日にEuropean Parliamentで、臨床試験データ公開の決議がなされた。この流れを鑑みると『EMAの臨床試験データ公開』の指針が立ち消えになることはない。European Parliamentの決議では『販売承認を得た以上、臨床試験データに機密性はない』としている。しかし同時に『公衆の特段の関心がない限り、機密性を考慮できる』とされた。
すなわち、「例外条件付のデータ公開」という方針と矛盾しない。

一方、 AllTrials transparency campaignという活動もある。こちらは、未来だろうが過去だろうがお構いなしに臨床試験データを公開するように求めている。EMAの指針は"これから承認される薬剤"のみに適用される。とはいえ、Abbvie社との争いでは、EMAは過去試験データの公開を求めている。過去データの公開が重要な意味を持つ場合、指針以上の対応が求められると推察される。多くの製薬会社は"社会的責任を果たす"という目的で、データ公開に応じるのではないだろうか。

以上のことから、当サークルが勝手に予想する臨床試験データ公開のガイドラインの内容は次のようになる。

1. 承認・却下された薬剤の臨床試験データは公開される
2. 企業側の要求に応じて、非公開データが発生する場合がある
3. データ公開の対象はガイドライン発効後に申請されたデータ。社会的な関心が大きい案件など、相当の理由がある場合、過去試験のデータを求めることがある
4. データ公開に備えて、データフォーマットが緩く指定される(そして、CDISCはその候補の一つになるだろう)
2014-05-02(Fri)
 

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TKD + SMZ

Author:TKD + SMZ
ガレージキット組み立て中級者
子育て初心者

2007年に友人の薦めでガレージキット組み立てを開始。その面白さに目覚める(w

2011年にお付き合いのあった原型師さんに薦められて、原型製作を開始。ワンフェスに参加しています。2017年から、活動を一時休止しております

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