Representing Time point ~ 時点を表現する

カテゴリー: CDISCラボ

SDTMで時点を表現する方法

臨床試験では、特定の時点で測定を行う場合がある。例えば、投与後0分・10分・30分・60分のタイミングで血圧を測定する。例えば、0~12時間の蓄尿・12~24時間の蓄尿などである。これらは特定のタイミング……タイムポイントで測定が行われる。これをSDTMで表現すると少々厄介なことになる。

20140522.png

上図は、SDTM IG(3.2)からの引用である。タイムポイントは、
 1. アンカーポイント
 2. アンカーポイントからの距離(ノルム)
 3. タイムポイントの表現
の3つのコンポーネントから構成される。


アンカーポイントは、基点となるイベントである。例えば「投与後0分・10分・30分・60分」であれば、『投与』がアンカーポイントである。全ては『投与』を基点とする。上図では、アンカーポイントはReference Time Pointと表現されている。アンカーポイントは「名称」と「具体的な日時」のセットで示される。例えば、こんな具合だ。

 --TPTREF: Dosing
 --RFTDTC: 2010-02-10T10:01

--TPTREF変数は人間にとって意味を持つ情報を保持する。--TPTREF変数は、データを一意に識別する役割を果たす場合がある。このとき、--TPTREF変数は必須になる。一方、おまけ的な情報しか与えない場合、省略可能である。これは試験デザインに依存する。したがって、短絡的に「省略可能」と理解するべきではない。


距離(ノルム)はアンカーポイントとタイムポイントの間の経過時間である。これは--ELTM変数が担当である。--ELTM変数には2つの制限がある。

 1. ISO-8601形式で表記しなければならない
 2. 経過時間なので、P***表記を用いる

1.の条件があるため、--ELTM変数は空になるか、変数そのものが削除される場合がある。「投与後90分」であれば、「PT90M」と表現できるが、「1回前」や「朝食前」だとISO-8601形式で表現できない。
ちなみに「2~4時間」や「12時間(±1時間)」といった場合もISO-8601形式に変換できない。この場合はスポンサーが一定のルールを定めて処理することが許される。例えば、「PT3H」と「PT12H」と処理してもよいし(中央値を採用)、「PT2H」と「PT11H」としてもよいだろう(最小値を採用)。

当ブログはこのような表記を変更することがベストプラクティスであると考える。「2~4時間」なら、「3時間」と指定し、許容範囲を前後1時間とする。後者は「12時間」と表記する。許容範囲はプロトコール上に記述され、CRFには表記しないのである。こうすることで—ELTM変数の取り扱いは整理されるだろう。


タイムポイントは、実際に測定が予定されている時点である。多くの場合、時点には何らかの名称が与えられている。例えば「朝食前」「60分後」といったものだ。これらの名称は--TPT変数に格納される。--TPTNUM変数にはソート用の情報を与える。実質的に—TPTNUM変数は、タイムポイントを一意に指定する識別子の役割を果たす。したがって、--TPTNUM変数は多くの場合で存在するだろう(稀になくてもいい場合もあるだろうが)。


以上、簡単にタイムポイントの表記を整理した。興味深いことに、タイムポイントの表現方法にはかなりの幅がある。特定の変数を必ず使わなければいけない……ということもなければ、x個の変数を使っていれば絶対に大丈夫……ということもない。SDTMのデザイナーがSDTMの仕様をどれだけ理解しているか、SDTMの利用方法をどう想定しているか、収集される臨床データの意味をどう解釈するか……で、答えが変わってくるだろう。
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